『収益ロス』とは何か?
『収益ロス』と聞いて何をイメージされますか。
日本における小売業界のリーディングカンパニーでは、その他様々な要因を『収益ロス』と捉え、対策を講じています。
氷山モデルで見る『収益ロス』
『収益ロス』の全容はしばしば氷山に例えられます。
万引きや従業員の不正など、意図的かつ明白なものもあれば、顧客の誤操作や管理上の手違いなど、意図的でないエラーも多く発生しています。
一口に『収益ロス』と言ってもその対策は多岐にわたり、原因に応じた対策を講じなければロスの減少にはつながりません。
NRF(全米小売業協会)の調査によると、2022年の米国小売業全体で計上された収益ロスの総額は1120億米ドル、総売り上げの1.6%に上ると報告されており、日本のみならず各国で課題となっています。
NCR Voyixの『収益ロス』対策
NCR Voyixの『収益ロス』対策は16個の『防御要素』を組み合わせ、まるで壁のように強固な守りとなる仕組みです。
NCR Voyix が提案する『収益ロス』対策は大きく4つに分類されます。
- 変革を生む技術: 操作性の悪さによる顧客離れや機会損失の防止
- 抑止力: 不正をはたらく顧客や従業員への抑止
- フリクションレス: シンプルな買い物体験・従業員の付加価値の低い業務を削減
- 店舗システム基盤の強化:
4つの視点から見る防御要素
[変革を生む技術]
- AI:顧客や従業員の行動、POSおよびセルフレジの操作記録など膨大なデータを学習させ、店舗の効率的な運営をアドバイスする技術として実装が始まっています。
- RFID:シリアル番号単位の管理を無線IC通信により様々な利用シーンに応用されています。ロス対策においては、万引き対策と棚卸管理の効率化で広く認知されています。
- 画像認識技術:既存技術であるバーコードの読み取りとの連携やそれに代わるソリューションも登場、主にセルフレジで利便性とセキュリティを高めるのに一役買っています。
- 生体認証:顔認証や手のひら認証などを会員情報や決済情報と紐づけ、スピーディーな取引を可能にしています。
[抑止力]
- セキュリティアラート:セルフレジで想定外の動きがあった場合、迅速な対応につなげる通知はロスの検出だけでなく、常習的な不正行為を抑止、減少させることが出来ます。
- カメラ:多くの小売業で既に防犯用カメラは設置されていますが、不正常習者の認識など先進技術を活用したカメラは従来のものと比べて大幅に付加価値を向上させます。
- 従業員端末とセルフレジの連携:セルフレジのサポートとして従業員が使用するRAP(Remote Access Program)端末は、AIカメラなどの機能との連動でより不正の防止に向けた運用が可能にです。RAP端末そのものをモバイルデバイスでの運用も準備を進めており、将来は従業員の接客効率を向上でき、さらに不正への抑止力を上げる事も可能です。
- 退店ゲート:店舗内のシステムとカメラ検知の連動が可能です。
[フリクションレス]
- セルフレジ介入の削減:従業員負荷軽減やコロナ対策で導入したセルフレジの本来の目的を実現するための、技術とノウハウを持っています。
- チェックアウトスピード:バーコードのついていない生鮮品などをセルフレジで登録するピックリスト アシスト機能です。画像認識のカメラが商品の色や形、大きさから、数十種類あるタッチパネルのボタンから、近しいものを絞り込む技術です。たとえばリンゴを1個置いた時に、タッチパネルのメニューが「ふじ」「つがる」「ジョナゴールド」だけを表示させ、見た目の明らかに異なる他の野菜や果物のボタンは表示されなくなります。顧客のセルフレジの正確で素早い操作をサポートし、顧客体験の向上やレジ待ち行列の解消にも貢献します。
- 顧客行動分析:最新の技術も活用し、POSの売上データだけでは分からない顧客の行動について深く知る為のソリューションも提案できます。
- 分かりやすさ:POSやセルフレジの混雑は、売上機会損失の大きな原因の一つです。欧米のベストプラクティスを踏まえたチェックアウト体験の向上はNCR Voyixが最も得意とする領域です。
[店舗システム基盤の強化]
- 分析・レポート:膨大なデータをクラウド基盤に蓄積し機械学習も活用して生成される『インサイト』レポートは、店舗責任者や本社機能責任者に具体的なアクションを推奨します。『収益ロス』対策に関しても店舗運営の様々な側面からインサイトが提供されます。
- デザイン:店舗のPOSやセルフレジをどのように配置し、従業員がどのように接客に当たるのか、NCR Voyixは欧米のベストプラクティスから店舗レイアウトのデザインを提案し、不正の防止や業務効率化をアシストします。
- 従業員教育・おもてなし:お客様に愛される店舗づくりのために、海外のノウハウと長年の経験をもって提案します。付加価値の高い接客業務にフォーカスできる従業員が多いほど、不正行為の削減にも繋がります。
- 決済:国内と海外でスキームの違いはありますが、より安全により便利に買い物をする為の技術があります。生体認証と決済の連携によるキャッシュレス決済の促進は、店舗での現金管理に関わるロスのリスク軽減につなげています。
NCR Voyixは小売業の戦略的なパートナーとして、収益ロス低減を目指したベストな提案をいたします。業態ごとに異なる課題の解決に向けて、包括的、中長期的な対策に取り組みます。